
社交ダンスの教室に通いはじめて、しばらく経った方が、ある日ふと気づきます。
「先生の『いいですね』、なんか種類がないか?」
あります。あるんです。
「いいですね」の分類学
・「いいですね!」(語尾が上がる)
本当にできています。これは自信を持ってください。
・「いいですねぇ〜」(伸びる)
方向性は合っています。細かいところはこれから。
・「……いいですね」(一拍おく)
今のはたぶん、まぐれです。もう一回やりましょう。
・「いいです、いいです」(二回)
止まらないで、そのまま続けてください、の意味です。
笑い話のようですが、通っている方に聞くと、たいてい「わかる」と言われます。
なぜ、社交ダンスの先生はこんなに褒めるのか
ここからは、少しまじめな話です。
社交ダンスの先生が褒めるのは、お世辞を言っているからではありません。大人が新しいことを覚えるとき、「できていない部分」を指摘されると、体が固まってしまうからです。
体が固まると、動きはさらにぎこちなくなる。ぎこちなくなると、また注意される。この悪循環に入った人は、たいてい教室に来なくなります。
だから、まず「できているところ」を言葉にする。体をゆるめてから、次の一歩を渡す。これは技術ではなく、大人にダンスを教えるうえでの、いちばん基本的な設計です。
DANCE GRANDの講師が守っている4つの原則
私たちは、講師全員に4つの原則を課しています。
・Always Gentle(いつも、やさしく)
・Always Positive(いつも、肯定的に)
・Always Simple(いつも、シンプルに)
・Always Structured(いつも、同じ流れで)
「いいですね」は、この2つめから来ています。できないことを責めない。できたことから始める。初心者が9割以上のスタジオを続けるには、これしかないと考えています。
初めての方の体験レッスンは、技術を教える時間ではなく「私にもできるかもしれない」と感じていただく時間です。まずは一度、教室の空気を見にいらしてください。
ちなみに、いちばん多い「いいですね」は
初回のレッスンで、いちばん多く出る「いいですね」があります。
生徒さんが、うつむいていた顔を上げた瞬間です。
ステップが完璧でなくても、顔が上がった人は、もう踊っている人に見える。講師はそれを知っているので、つい声が出ます。
この「いいですね」だけは、100%本物です。


