
「はい、顔を上げてくださいね」
レッスン中、講師がいちばん多く口にする言葉かもしれません。そして次の瞬間、生徒さんの目線はまた、スッと足元に落ちていきます。
笑い話のようですが、これは社交ダンスを始めた方の、ほぼ全員が通る道です。恥ずかしがる必要はまったくありません。
なぜ、足元を見てしまうのか
理由は単純で、脳がまだ「足の位置」を目で確認しないと不安だからです。
私たちは日常生活で、足元を見ずに歩いています。それは歩き方が体に染み込んでいるからです。ところが社交ダンスのステップは、まだ体に入っていない未知の動き。脳は「本当に合っているのか」を目で検算しようとします。
つまり、足元を見てしまうのは意志が弱いからでも、集中力がないからでもありません。ごく自然な、脳の反応です。
「見ないようにしよう」では、直りません
ここが、あるあるの続きです。
多くの方が「見ないようにしよう」と我慢しようとします。ところが、我慢すればするほど不安になり、結局チラッと見てしまう。そして「また見ちゃった」と落ち込む。この繰り返しになりがちです。
解決策は、我慢することではありません。「見なくても平気」という状態を先につくることです。
足元から目が離れる、3つの順序
1. ステップの数を減らす
最初に覚えるステップを、思い切って4歩だけにします。4歩なら、数回繰り返すうちに体が覚えます。体が覚えれば、目で確認する必要がなくなります。
2. 相手の肩越しに、遠くを見る
顔を上げようとすると、多くの方は「相手の顔を見る」と考えて緊張します。見るのは相手の顔ではなく、その向こうの壁や景色です。視線が遠くにあるだけで、姿勢はまっすぐに伸びます。
3. 音に合わせる
足の位置ではなく、音のカウントに意識を移します。「1・2・3」と数えているあいだ、目は自然と前を向きます。
DANCE GRANDの体験レッスンは、最初に覚えるステップをあえて4歩だけに絞っています。「できた」という感覚を先につくることが、顔を上げるいちばんの近道だからです。
顔が上がると、景色が変わります
面白いもので、目線が上がった瞬間から、ダンスの印象は一変します。
同じステップを踏んでいても、うつむいていると「練習している人」に見え、顔が上がると「踊っている人」に見える。鏡に映る自分の姿が変わるので、ご本人がいちばん驚かれます。
「足元を見てしまう」は、卒業できる悩みです。今その状態にある方は、ちゃんと最初の一歩を踏み出している、ということでもあります。
DANCE GRANDは、生徒の9割以上が未経験からのスタートです。足元を見てしまうのが当たり前の場所なので、どうぞ安心してお越しください。


